「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき

『逢いたい』でいっぱいになったなら

コウさんの家に着くなり、抱き寄せられた。
ゆっくりとキスをされた。

「ごめん、美琴」
「ん?」

手を引かれてソファに座らされる。

「昨日、明石さんか俺か選んでって言ったくせに、もう会いに行ってしまった」
「ん?そこ?」
「そこ?」
「コウさんが逢いに来てくれて嬉しかったよ。
それより、私がコウさんのことが大好きなのが伝わってるかが、心配」

隣に座るコウさんにしっかり体を向けた。

「確かに健のことが好きだった。
でも、今、私が好きなのはコウさんだよ。
ぼろぼろになってた私のことを慰めてくれて、優しく包み込んでれて、笑わせてくれて、気が付いたらコウさんが心の真ん中にいたの」

コウさんは真剣に私の言葉を聞いてくれている。

「たくさん優しくされて、かっこよくて、しかもご飯もおいしい。
いいとこばかり見せつけておいて好きになるなって方が無理。
こんなに…好きにさせておいて…突き放されて‥‥悲しかった。
コウさんが…いなくなっちゃうかもって…不安で……ものすごく恐かった」

感情が昂ってきて、また涙が滲んでくる。

「好きって言ったのに‥‥」

泣かずにきちんと話さなくちゃ…。

「いくら好きって言っても…コウさんには伝わってなくて…ものすごく‥‥悲しかったんだよ‥‥」

何度も深呼吸をしたが、治まらない涙が溢れた。


「ごめん。悲しませてごめんな。不安にさせてごめん」

両手で頬を挟まれて、涙を拭かれた。

「美琴の好きを疑ってごめん」
「うう――――――」
涙がボロボロと零れてくる。

コウさんは私の肩を抱き寄せた。
ギュッと抱きしめて、優しく背中を何度も摩った。




少し落ち着いてきた私が、
「私はコウさんが好きです!伝わった!?」
叫ぶように言うと、コウさんは、
「伝わった。
俺も美琴のことが、めちゃくちゃ好きだよ」
と言った。

コウさんが手を緩め、ゆっくりと唇を合わせた。
甘くて蕩けるような口づけはだんだん深くなっていった。



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