「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
コウさんと手を繋いでゆっくりと新郎新婦のところへ向かう。

「美琴、そのドレスすごく似合ってる。綺麗だよ」
「えへへ。ありがとう。なんだか照れちゃう」
コウさんがにっこりと笑った。
繋いでいる手を取られて、肘を持たせた。

人にぶつからないようにゆっくりと進む。
「さっきさ、男共にナンパされてるから慌てた」
「え?おしゃべりしただけよ。私はほとんど話してもなかったけど」

「無自覚かあ。恐いわあー」
「いやいや、本当に。『お姉さん、今暇?』とか聞かれてないし」

「そりゃ、この席でそんなこと聞いてくる人はいないでしょ」
「まあ、そうだねえ」

「本当。ほんと危険だわ」
そういうと、コウさんは足取りを新郎新婦のところから逆の窓の方へ変えた。

「挨拶してからゆっくり渡したかったんだけど、先にしよう」
とガーデンスペースに連れていかれた。


向き合って立つと、
「手を出して」
と言われたので素直に両手を出した。

コウさんはクスリと笑うと、ポケットから小さな箱を取り出した。

「あ」

蓋を開けた中にあったのはアクアマリンのリングだった。
アクアマリンの両サイドに小さなダイヤモンドが1つずつ付いた細身のリング。
それは、デートの途中でふと立ち止まったジュエリーショップで見たものだった。

薬指にはめられてたリングのサイズはぴったりだった。
「きれー」

「ねえ、サイズどうしてわかったの?」
「美琴が寝てる間にこっそり測った。結構大変だったよ」
「ええ――――。すごい。ぴったりよ」

「このリングは婚約指輪のつもりで買ったんじゃないんだ。
でも次にプレゼントするときはそのつもりでいてね」

コウさんを見上げる。
コウさんは優しく私を見おろしている。

コウさんのジャケットに額をあてた。
コウさんは私の背中に両手を回して抱きしめた。

「美琴、愛してる」

とろけるような甘い声で言われてくらくらする。

「私も・・・私も愛してる」

照れながらも頑張って言う。

『愛してる』なんて言い方をしたのは初めてで、ものすごく恥ずかしい。


照れて顔が赤くなっているであろう私の唇に、ゆっくりと唇を重ねた。
とても長くてうっとりするようなキスをされる。








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