「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
   *

シャワーを浴びて出てきた俺は、目を疑った。

美琴がソファから落ちて、床で丸くなって寝ていたのだ。

手をグーにして、まぶしかったのか腕を顔の前でクロスしている。
それはまるで昔実家で飼っていた猫のようで笑えてくる。

顔にかかった髪をそっと耳にかけてやると、それはそれは幸せそうな顔をしていた。

「ふふっ。良く寝てるなあ」
その姿がかわいらしくて笑ってしまう。

美琴をそっと抱き上げ、所謂お姫様抱っこをして寝室のベッドに連れて行った。


ベッドに横たえると、美琴はうっすらと目を開け、俺を見て微笑んだ。

美琴の細い指は俺のTシャツの裾を持っている。
美琴の瞳を見つめると、美琴もじっと見つめ返してくる。
そして、そっと目を閉じた。
俺はそれに誘われるように唇を合わせた。

そっと。そっと。

始めは軽かったキスもだんだんと深くなっていく。

「・・・ん・・・あ・・・」
美琴の声に理性が飛んでいく。
服を脱がし、その首に、胸にキスする。

ブラをずらそうとしたとき・・・

「ぐーーーー・・・ぐーーーー・・・」

美琴はいびきをかいた。


「マジか?ふっ。くっくっくっくっく」
起こしてはならないと必死に笑えを堪えたが、肩が震えてしまう。

「くっくっくっ。かわいいな・・・ふふっはまりそうだなぁ」
俺は笑いながら美琴をぎゅっと抱きしめた。

「うっ」
と眉間にしわを寄せる美琴を見て、また笑いがこぼれる。


俺は着ているTシャツを脱ぎ、下着姿の美琴の体を起こして頭からかぶせた。
すると、美琴は自力で腕を袖に通した。
起きた?
と思ったが、再び丸くなった。
幸せそうなその表情に寝ぼけてるなと判断した。

頬に掛かる長い髪を耳にかける。
安らかな表情の美琴の額に一つキスを落とし、今度は優しく抱きしめた。
まるで子猫を撫でるかのようにそっと。



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