「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
花ちゃんと健・・・結婚するんだ・・・。



あ・・・・。


もしかして、昨日、それを言うために私を誘ったの?・・・・。



行かなくてよかった・・・・・。



きっと言えなかった・・・・、


笑顔でお祝いなんて・・・・・。


「‥‥うわぁ‥‥やば…‥」

涙が溢れそうになって慌てておしぼりで目を抑えた。



・・・・・健・・・・。



「美琴?」

心配そうなその声に顔を上げると、コウさんが目の前に座っていた。
「どした?」
コウさんは心配そうに声をかけた。

私は声が出せなかった。

それでも、なんでもないと首を振った。


コウさんはテーブル越しに手を伸ばし、私の頬に触れた。

「どうしたの?」

その手がそっと、優しく頬を撫でた。
視界が涙で霞む。
こんなところで泣くわけにはいかない。

歯をぐっと食いしばる。
何でもないと言おうとしたけれど、口を開くと泣いてしまいそうで声が出せない。

コウさんは向かいではなく、私の横に移動した。

そして、肩を抱き私をその胸に優しく包み込んだ。
私の顔はコウさんの胸にそっと押し当てられる。
そのまま片手で頭を撫でてくれる。

私はそのままの姿勢で何度か息を深く吐いた。
瞬きをして涙を消す。


「・・・・・帰ろ?」
ぽつりと、どうにか声を出した。

コウさんはそっと体を離した。
少し小首をかしげ、私の顔覗き込んだ。
目が合う。
コウさんは
「うん。帰ろう」
と言った。



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