「逢いたい」でいっぱいになったなら~私の片想いが終わるとき
  *

そっと寝室に入る。

まだ暗闇に慣れていない視力でベッドに近付く。
「美琴?」
そっと声を掛けた。

「・・・・・すー・・・すー・・・」

寝てる・・・。

うん。予想通り。想定内。
がっかりしている自分に言い聞かせて、美琴の横に潜り込む。

美琴の頭の下に左手を滑り込ます。
「ん・・・」
美琴がすり寄って来る。

起きたかな?

片方の腕が俺の脇から背中に回る。

俺も美琴の背中に手を回し、頭を撫でる。

再び美琴の寝息が聞こえた。

俺の上に乗る美琴の腕の重さが愛しい。

「好きだよ、美琴。おやすみ」

彼女になったばかりの美琴の額にキスをしながら目を閉じた。




  **

翌朝。

一旦家に帰るという美琴を送って行く。

手を繋いで歩いていると、美琴が俺を見上げて、
「今日、仕事終わったらコウさんの家に帰ってきてもいい?」
と言った。

俺は嬉しくて嬉しくて、自分の顔が蕩けてるくらいに笑っていることを自覚した。



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