苦くも柔い恋
「まあ、どうかな。自分から言っといて別にそんな大層なもんじゃなくてアレだけど…橋本は彼と恋人を続けるってことで決めたんだよな?」
「はい」
「なら裏切らないのは大前提として、あとは何があっても疑わないくらい、相手を信じてやることかな」
「……」
「ああいうのは疑って逃げた分だけエスカレートしそうだし。…てかもう既にGPSとかつけられてたりして?」
「怖いこと言わないでくださいよ…」
GPS云々は置いておいて、怖い冗談で揶揄われはしたがやけに説得力のある言葉だった。
信じる、なんて言葉にするのは簡単だが実際は難しい。かつてはそれができなくて千晃と破局寸前まで陥ったのだ。
今千晃は惜しみない愛情をくれるけれど、果たして何があってもなんて、そんなこと自分に出来るのだろうか。