苦くも柔い恋



「千晃はどうだった?大学生活」


自分の居ない場所でどう彼が過ごしていたのか、少し気になった。
きっとモテたんだろうな。

顔良し頭良し性格は…まあ相当悪いわけではないとなれば、少なくとも容姿に惹かれる人は居たはずだ。

高校までは美琴の存在が牽制になっていたけれど、それが無ければ一体どうだったのか、想像に容易い。


「地獄」

「へ?」


返ってきたとても穏やかでない単語に、素っ頓狂な声が上がった。


「えっと…そんなに勉強大変だったの?」


建築士について少し調べたのだが、在学中に指定の科目を取得して卒業すればその後すぐに一級建築士の受験資格を得られる事もあって、その忙しさは必要単位だけ取って遊んで過ごしているような学生とは比べるまでもないだろう。

知識の無さ故にその科目を取ることがどれほど難しいか計り知れないけれど、名前の響きとその合格率の低さから大変だったであろうことは想像がつく。

かくいう自分だって、バイトさえしていなければ遊んで過ごせる学生生活を送っていただろう部類なのでなんとも言い難い気持ちになった。


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