苦くも柔い恋


その後も少し散策してから部屋に戻り、浴衣に着替えて食事をした。

今回も部屋食をお願いしてその時食前酒をいただいたのだけど、すぐ赤くなる体質のせいで顔を真っ赤にすれば千晃が必要以上に体調を尋ねてきた。


「和奏、本当に大丈夫なのかよ」

「いつも言ってるでしょ、赤くなるだけで平気だって」


アルコールに強いのは本当だ。
けれど何故かすぐ顔に出るらしく、この体質のおかげで外で無理に飲まされる事はないので役得に思っている。

このことは桜と、あとは千晃にしか言っていない。
何度も一緒に飲んだ事あるのに、どうして今日はしつこいのだろう。

そう思っていると千晃の手が顔にかかった髪を避けた。


「本当に気分が悪くなったり意識混濁したりしてないんだな?」

「もう…今日はどうしてそんなにしつこいの」

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