苦くも柔い恋


そう心に決めた数週間後、文化祭が幕を開けた。

一般参加も可能なこの行事には学生の家族やこの高校への進学を考えている中学生の参加も多くそれなりに盛り上がる。

そんな中でも和奏のクラスはその和装喫茶というモチーフと本格的な抹茶と和菓子が振る舞われる事が話題を呼びひっきりなしに人が訪れていた。


被服部が気合を入れて仕立てた着物に可愛らしい白いフリルのエプロンを添え、襷をかけながら和奏も慣れないながら接客に努めていた。

恋人や友人でもいれば休憩を合わせて一緒に回るなんていかにも学生らしい事もするのだろうが、生憎と和奏はどちらも持ち合わせていないので休憩をクラスメイトに譲った。


そんな折である。

千晃を含む他クラスの男子数名が店へとやって来たのは。



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