苦くも柔い恋



「……」


千晃は口を閉ざしたままひと言も発しはしなかったが、不意に和奏の肩に頭を落としてきた。


「!?、えっ…」

「……」


驚きすぎて体が跳ねそうになったが、一瞬垣間見えた千晃の表情に言葉を失い、動くのを辞めて黙ってそれを受け入れた。


「……」


受け入れはしたが、気持ちは全く落ち着かない。

相変わらず心臓は忙しなく動いているし、なんだか手汗もすごい事になってきた。

それを誤魔化すように服を握るも、千晃は微動だにしない。


そうして一体どれくらいの時間が経っただろうか、ただただ無言の時間続いてそれが永遠のように感じていた。

いつまでこのままでいればいいんだろうかと思ったとき、ようやく千晃の頭が浮いた。


何か声をかけた方が良いだろうか、そう思い彼の方を向いた瞬間、触れるように唇が重なった。



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