苦くも柔い恋
「ー!」
あまりに一瞬の出来事で何が起きたか理解ができなかったが、すぐにキスをされたのだと理解が追いついた。
しかし千晃は何かを言うこともなく黙って立ち上がり、家まで送るとそれだけを告げた。
「千晃、今の…」
「……」
千晃は何も言わず、質問に答えてはくれなかった。
本当なら嬉しいはずのファーストキス、けれどそれが一層和奏の不安を煽った。
どうしてキスをしたのか、千晃がなにを考えているのか全く分からない。
結局ここに来て話をしていたのも和奏1人で、何故呼び出されたのかも告げられず訳が分からないままだ。