苦くも柔い恋
付き合うなんて言っておきながら全く関わろうとせず、他の女との交際を仄めかされても否定すらしてくれず、何も話してもくれなくせにキスはする。
こんなのただの都合の良い女じゃないか。
何かを話そうにもいざそれを肯定された時の反応が怖くなり、言い淀んでいるうちに自宅へ着いてしまった。
到着するや否や、じゃあなとだけ言い残して千晃は帰っていった。
その背中を見えなくなるまで見つめても、千晃は一度だって振り向いてはくれなかった。