苦くも柔い恋


話題に花を咲かせて盛り上がるクラスメイトの声をききながら、和奏は手を震わせていた。


——確かに昨日、美琴は彼氏とって言った…


途端に視界が真っ暗になり、燻っていた不安がピークに達した。

すぐにスマホを取り出して千晃にメッセージを送った。


[美琴と付き合ってるって本当?]


ただ一言違うと言って欲しかった。

否定してくれたら、これまでの不安が一気に消えてくれる気がしたから。


送ったメッセージは一向に既読にならず、ようやく返事が来たのは帰宅して入浴を終えた21時過ぎ。

恐る恐るメッセージを開けば、ただひと言だけ書かれていた。


[馬鹿なこと言ってんじゃねえ]


たったそれだけ。
それは一体どういう意味なのか。

そんなのは出鱈目だという意味なのか。

それとも、そんな当たり前の事聞くなという意味なのか。


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