苦くも柔い恋
初めて千晃が自宅に来た翌週から、毎週同じ曜日に彼は尋ねて来た。
決まって土曜日の夜、数時間かけて購入したばかりだという車でわざわざ来るというのだからある意味脱帽だ。
最初の数回は見てみぬフリをしていたが、こう何回も来られると夜中に和奏の自宅を出てその後どうしているか気になって聞いてみれば適当なカプセルホテルに泊まって日曜に帰るという事を繰り返していた。
聞いてしまった以上知らぬ存ぜぬは叶わず、最早これは性分だろう、お金が勿体ないから此処に泊まればいいとつい言ってしまった。
勿論ベッドは譲らない。
けれど狭い部屋ににソファなんて場所を取るものも置けないので仕方なく来客用の布団を購入した。
何で私がこんな事…と思わなくも無いが、これが世に言う惚れた弱みなのだろうか。
それなら断じて認めたくないのだが、来るのをやめて欲しいと何度言っても、どれだけ冷たく突き放しても来るのだからもうどうしようもないじゃないか。