苦くも柔い恋
「お時間もらってすみません」
「いいよ、俺も晩飯どうしようかと思ってたし」
とりあえず生ひとつと店員に言ってメニューを開く香坂に、和奏は目の前の唐揚げを差し出した。
「私のセレクトでよければどうぞ」
「おお悪いな。ありがたく貰うよ」
香坂は唐揚げを2つほど取り皿によそうと、それで?と話しかけてきた。
「相談って、この間押しかけてきた彼のこと?」
「…はい」
軽く酔いたいなと思って頼んだカルーアミルクを飲みながら和奏は続けて言った。
「香坂さんって、浮気したことありますか?」
唐突な質問に香坂の目が剥く。
「…初っ端から重い質問が飛んできて肝が冷えたんだけど」
「すみません」
和奏が謝ると「いや良いんだけどさ」と香坂は背もたれに身体を預けた。