エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
「かしこまりました。何でもお気軽に聞いてくださいね」

 店員さんが心強い笑顔を向けてくれる。私も笑みを返して、まずは陳列されているアクセサリーを見て回ることにした。
 普段から、宝物の指輪をネックレスにして着けている私。買うとしたら、ネックレス以外がいいかも。

「あ、このイヤリング可愛いな〜」

 仕事の延長であることを忘れて、休日のノリではしゃいでしまった。御堂課長と店員さんに、まるで子どもでも見るような優しい視線を向けられる。却って恥ずかしい。
 気になったのは、様々な色の天然石でお花をかたどったイヤリング。好みだけど、他の物も一通り見てから考えよう。

 そうして、ショーケースの中のアクセサリーをほぼ見終えようとした時に、それを見つけた。

「!」

 一目見て、心惹かれた。
 ピンクゴールドの華奢なチェーンがキラキラと光るブレスレット。小さなサークル型の石とパールが等間隔で付いていて、上品な印象だ。
 石の色は紫がかった深いピンクで、キュートさと大人っぽさが同居しているみたい。

「これが気になるのか?」

 御堂課長が私の傍にやって来る。

「はい。石のピンク色が華やかだから、シンプルだけど存在感があります」

 店員さんがにこやかに説明してくれる。

「こちらの石はロードライトガーネットですね。ガーネットの一種です。今週入ったばかりの新作ですよ」

「これもガーネットなんですか? もっと赤い色味の石だったような」

「ええ。石に含まれる成分によって、様々なお色のガーネットがあるんですよ」 

「そうなんですか」

 私は再びブレスレットを見つめた。この石がガーネットの一種だと知って、より興味が湧いた。何故なら、

「私、一月生まれなんですよ」
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