エリート御曹司の溺愛に甘く蕩かされました
 暗い部屋に入り、征士さんが私を大きなベッドにゆっくりと横たえる。ベッドサイドの間接照明を点けてから、彼は私の服にゆっくりと手を掛けた。

「あ、あの」

「どうした?」

 首を傾げる征士さんに、小さな声で聞く。

「何で明かりを点けるんですか?」

 間接照明の明かりはごく控えめだけれど、ふたりの距離が近いから、互いの表情までもが分かってしまう。

「何でって……乃愛の全てを見たいからに決まってるだろう」

「!」

 私は恥ずかしさで何も言えなくなった。きっと、顔も真っ赤になっているに違いない。
 征士さんはそんな私を見て微笑むと、優しい口調で聞く。

「俺に身体を見られるのは、嫌か?」

「その言い方は、ずるいです。初めてだから恥ずかしいだけで、その、嫌なわけじゃ」

「そうか、良かった」

 安心したように笑って、私の服をそっと脱がせる。私は彼に身を任せて、初めての行為に胸を高鳴らせた。
 私が一糸(まと)わぬ姿になると、征士さんは自分のシャツのボタンを外していく。
 大きなベッドに横たわる私は、緊張で裸の身体を縮こまらせた。
 これからすることについて、ぐるぐる考え続けている。初めてだから上手く出来るのか、とか、その……痛くないのか、とか。
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