離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~
「エレオノール、本当に久しぶりね!離婚前だというのに、全く落ち込んでいないのねぇ。」
エレオノールを訪ねて来たのは、
エレオノールの母の古い友人である
レイヴンホルム女伯爵アンリエッタだ。
後ろにいるのは彼女の甥であり、
次期レイヴンホルム伯爵のルイである。
2人は所用でヴァリニア王国を訪れており、
せっかくだからとエレオノールが招待したのだ。

アンリエッタに会うのはずいぶんと久しぶりだが、
記憶の中の彼女とほとんど変わらない。
恋に生きる彼女は独身を貫いており、
恋に向かっていくエネルギーが
若さの秘訣なのだろうか。
露出した肌はピカピカに磨き上げられ、
なんとも艶かしい色香を放っている。

「エレオノールもよく頑張ったわ。愛のない結婚を3年なんて、私なら耐えられない。ま、私は結婚すらしたことないけど。」
離婚するに至ったあらましを
エレオノールが2人に聞かせると
アンリエッタが慰めてくれた。
「もし良ければ再婚相手にうちのルイはどう?未来のレイヴンホルム伯爵よ。」
すかさず自分の甥を勧めてくるアンリエッタに
エレオノールは苦笑いする。
「王妃様はやっと自由になれるのに、好きでもない相手とすぐ再婚なんて嫌に決まってるじゃないですか。何を言い出すんですか、伯母上は。」
ルイもすかさず嗜める。
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