100日後、キミのいない世界で生きていく

変えられない十年前

「…み。美波!」

「…え?」


ハッと目を覚ますと、きょとんと不思議そうに陽菜乃が私の顔を覗き込んでいた。


「ぼーとしてるなんて珍しいね?あ、これ、ノートありがとう!おかげで助かったよ」


陽菜乃が差し出してきた宿題のノートを受け取りながら、意味がわからなくて陽菜乃の顔を凝視する。


「…ん?なに、そんな見つめて。なんか顔についてる?」

「…本物?本物の陽菜乃なの?」

「え?何言ってんの?」


訝しげに眉をひそめる陽菜乃に、勢いよく抱きつく。


「え、ちょ、美波?」


ちゃんと温かい…。紛れもなくこれは陽菜乃だ。

過去に、戻って来れたんだ…。


「ちょっと私トイレ」
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