100日後、キミのいない世界で生きていく
私は、陽菜乃がいなくなってからただひたすら息をしているだけの毎日。

やりたいことも行きたいところも特に何もないけど、世間帯を気にする親のためにそこそこの高校と大学を卒業し、そこそこの会社に就職をした。

そんなつまらない日常。


「次はー終点。終点です」


車内アナウンスの音でハッと我に返って周りを見渡す。

いつの間にか眠っていたみたいで、終点まで来てしまったようだ。


“陽菜乃のいた日常に戻りたい”


そんな私の願いはやはり届かなかったようだ…。


「まもなくー、終点。終点です。①過去に戻れるのは人生で一度だけ。②期限は100日間限定。100日後には現代に戻ってきてしまう。③基本的に過去の改変はできない。決まっている過去の結末は変えられない。以上の三点を理解した上で、あなたが望む過去の世界にご案内いたします。お忘れ物がないようご注意ください」

「…え?」


聞き慣れないアナウンスに思わず首を傾げると、ガクンっと電車が揺れて私の体は投げ出された。

そして、意識はそこで途切れた。
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