100日後、キミのいない世界で生きていく
「颯太。告白の返事、させてって言ったよね?」


颯太がハッとしたように顔を上げた。


「颯太の気持ちちゃんと聞くことできなくてごめんね。好きって言ってくれたのは驚いたけど、嬉しかった。…でも、私は颯太の気持ちに応えることはできない。だって颯太は私の中で一番大好きな男友達だから。颯太のスリーポイントシュート決める瞬間、すごいかっこいいって毎回思ってたよ。颯太よりすごい選手を私は知らない。これからもたっくさん活躍してね!私、ちゃんと見てるから」

「…ありがとう、陽菜乃。俺、もう一度バスケやるよ。陽菜乃が見てくれてるだけで、俺はどこまでも頑張れるからな」

「莉久、あの日直接会ってなんて言おうとしてくれてたの…?」


莉久は陽菜乃を見つめたまま悲しそうに顔を歪めた。


「…もう一度俺と付き合って欲しいって、そう言おうとしてたんだよ。俺は本当に陽菜乃が好きだったから。たとえ全てを捨てたとしても、おまえが隣にいてくれればそれでよかったんだよ…」

「私ね、きっと生まれ変わっても莉久以外のこと好きになれないと思うんだ。あの惚れっぽかった私が今じゃこんなに一途に莉久のことだけを想い続けてるって、相当すごくない?だからもう一度莉久とまた出逢えたら、その時は次こそ“運命の恋”って自信を持って言おうと思うの。莉久と恋をして毎日が楽しかった!」

「…っ。俺こそ、この先おまえ以外の人と運命の恋なんてできねぇよ…。だから、待ってる。おまえが逢いにきてくれるまで、たとえ来なくても俺が逢いにいくから。こんなクズな俺を好きになってくれてありがとな」

「若菜」


びくりと陽菜乃に名前を呼ばれた若菜が、反応した。
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