100日後、キミのいない世界で生きていく
「私は若菜が言ってくれた言葉が全て嘘だったなんて思ってない。私のこと嫌いだったかもしれないけど、好きでもあったって自惚れてもいいかな…?若菜は不器用なだけで、ずっと優しい友達だったよ。若菜ともっと本音でぶつかり合えばよかったね。これからは自分の気持ち隠さないで、なんでも教えてよ。若菜が我慢することなんて何一つないんだから」

「陽菜乃は、こんな若菜に最初からずっと優しかった…。若菜のことで陰口を言う女子がいたら、真正面から戦いに行ってくれて若菜の居場所を取った相手なのに嫌いになろうとしてもどうしてもできなかった…っ。最低なことしたのに、若菜の居場所をくれた陽菜乃が、大好きだよぉ…」

「眞紘はーこの先美波のことを泣かせたら呪う!死ぬまでずーっと祟るからね」


眞紘が「やべぇ」と言いながら、優しい顔で私を見てきた。

陽菜乃が死んで、自然と眞紘と別れてしまったけど、私はずっと後悔していた。

陽菜乃が莉久を好きなように、私だって恋を全て捧げたいと思うのは眞紘だけだから。


「眞紘と美波は似た者同士だから。きっとこれからぶつかることも増えるんだろうけど、男なんだから眞紘から折れるんだよ?美波のこと幸せにしないと私が許さないんだから。絶対に、幸せにしてあげて」

「ああ、わかってるよ」

「美波に言うことは…特にないかな」

「な…っ!?」


ずっと私は何を言われるんだろうとドキドキして待っていたというのに、なんてあっさりしているんだ。


「美波はきっと言わなくても私の言いたいことがわかってるもん。ずっと誰よりも近くにいたから。もしも私か美波が男だったら、莉久と眞紘には悪いけど私たち最高のカップルになってたと思わない?」
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