100日後、キミのいない世界で生きていく
若菜は中卒という経歴をものともせずに就活を頑張って、社会人生活を楽しんでいる。

みんなが未来に進んでいる中、私は結婚して日菜という名前の大事な娘ができた。


そんな日菜も今日で14歳。


「ねえママ、いいでしょ？16歳になったら莉久くんと結婚しても」

「バカなこと言わないの」


日菜はなぜか小さい頃から異様に莉久だけに懐いていて、大きくなるに連れて結婚するんだと言って聞かなかった。

しかし、莉久は今もまだ一途に一人の女の子しか見えていないから、かわいそうだけど日菜の初恋は実らないだろう。


「日菜、何回も言ってるけど、俺には心に決めたたった一人の女が…」

「でももうその人は死んじゃってるんでしょ？いつまでも死んじゃった人を想い続けても、虚しいだけだよ」

「日菜！」


大声を出した私に、日菜が驚いたように目を見開いていた。


「日菜、そんなこと言っちゃいけないよ。誰かを想うことはたとえ辛くても、叶わなくても、他人が勝手に決めつけていいものじゃない。それに、俺たちの心の中で今も生き続けてるから」

「…パパ！」


日菜は渡されたケーキをじっと見つめてから、ぺこりと頭を下げた。
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