不実な自由
私があんまり仮病を使っていたから、両親は心配のあまり大規模な病院に私を連れて行った。あまりに幼くて何科にかかったかは、よく覚えていなかったけどたぶん小児科だろう。「べつに悪いところはないようですね」「どこか痛いところはある?」「…」両親に席を外すようにお医者さまから言われ、外へ出て行った。先生は私の心を見破ったようで「怒らないから本当のこと言ってみなさい」と優しくしてくれて私はやっとポツリポツリと小さな声で話し出した。「給食が嫌いなの」私がなぜ、こんな事も両親に話せなかったのは父親が毎日、執拗に私を叱りつけたからだ。ある意味、子供にとって言葉の暴力と今でいう言葉での虐待だ。病院に行って、私が仮病を使っていたことを知った両親はすこし考えたようである。担任の先生に事情を話し、先生もいろんな方法を使って私を気遣ってくれた。
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