向日葵の園
車はとっくに別荘の前に着いている。
なのに憂さんは降りようとしないし、
気まずい話題を振ってくるし…。

「何言って…親友の彼氏ですよ?」

「でもきみのほうが先に好きだったんじゃない?」

「なんで…」

「ごめん。探偵みたいなこと言ったけどほんとはちょっと日和から聞いてたんだ」

「お姉ちゃんっ…!」

「日和のこと怒んないであげて。ヒマワリちゃんがここに来たがってるって相談された時にちょっとね。日和って律儀だろ?だから理由もしっかり話してくれてさ。ヒマワリちゃんにとっては大事なプライバシーだから不快かもしれないけど。アレで日和はきみのこと、すごく心配してるんだ」

「…分かってます」

「辛いね。でもさ、こんなこと言うのもナンだけど、世の中に男はいっぱい居るから」

「なんの慰めにもならないです…」

「あはは。ごめん」

憂さんは、いつも笑っている。

憂さんは私と向日葵が似ているなんて言ってくれるけれど
それは名前だけで、私なんかよりずっとずっと、
憂さんのほうが向日葵みたいな人だ。

憂さんからはやっぱり少し、アルコールの匂いがする。

お姉ちゃんも課題があるって言っていたし、
私達が遊んでいる間も、ほとんど課題の研究とかしているのかもしれない。

忙しい時間をこうやって割いてくれているんだ。
私も納得して、晴れやかに次に進める三日間にしたい。

そう思っていたのに…。
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