向日葵の園
「ヒマワリちゃんが感じた揺れは…えーっと誰だったかな。もうみんなほとんど容姿を保ててないから定かじゃないけど。薬を打って地下に落としたけど″効き″が良くなかったみたいでさ。脱走を図ろうとして暴れてたんだよ。その時の振動を感じたのかもね」

「こんなことバレたらタダじゃ済まないですよ!?きっと死刑になります!」

「世紀の科学者として世の中に名を馳せることができるのなら本望だよ」

「憂さんがやってることは希望なんか生まない!この世で一番最低な絶望です…今ならまだ…」

「まだ間に合うって?本当にそう思う?」

鉄格子をガリガリと掻きむしっていた″人″の頭頂部に僅かに残された髪の毛を掴んで
憂さんが顔を上げさせた。

ズルズルに爛れて、
もはや皮膚は残されていない。

「ッ…」

「このまま外に放り出されても生きてく術なんかないでしょ」

投薬は少しずつ行われているのか、
徐々に向日葵へと変貌していく治験者達。

「こいつもそろそろかな」って憂さんが呟いて
鉄格子の人の首筋に注射針をズブリと突き刺した。
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