妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~
終章

24.それからの二人

 蛇の妖怪を封印し、私と凪季は再び付き合うことになった。

 戻ってきたいつもの日常。

「朱里、行こう」

 凪季が私に手を伸ばす。

「うん」

 私は凪季の手を取り一緒に歩きだした。

 向かった先は近所でも有名な大豪邸、蒼木家。

 つまり、私は初めて凪季のお家におじゃますることになったの。

「わあっ、ここが凪季のおうち!?」

 私は校門みたいに大きな蒼木家の門を見てあんぐりと口を開けた。

 すごいっ。想像してたよりもずっと大きい!

 大きいのは門だけじゃない。

 門の隙間からのぞくのは公園のように大きな庭。

 木々の間に浮かぶように見えるおうちもすごく大きい。

 何棟にも分かれた和風の邸宅は、まるで高級旅館か何かみたい。

 私が目をぱちくりさせていると、凪季が手慣れた様子でインターホンを押した。

「今門を開けてもらうから待ってて」

 凪季がインターホンを推すやいなや、門が自動で開く。

「お帰りなさいませ、おぼっちゃま」

 品の良い中年女性が頭を下げる。

「さ、入って」

「う、うん。おじゃましまーす……」

 私はおずおずと凪季の家へと入った。

 今のは……『おぼっちゃま』って言ってたからお母さんじゃないよね?

 ってことは、メイドか使用人……なんだろうか。

 ひゃあ、使用人がいるだなんて、さすが日本有数の大企業の御曹司!

 私……本当にこの家に入っていいのかな?

 場違いな気持ちでいっぱいになりながら、私は大きなシャンデリアに照らされた広い玄関に靴をそろえた。
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