妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~
「竜くんの言ってたこと、本当だったんだ」
「ああ。そうみたいだな。俺もこれを見つけた時はびっくりした」
私はじっと陰陽師と妖狐の絵を見つめた。
妖狐が身にまとっているのは、赤い蝶の着物だ。
ズキリ――肩のあざが痛んだ。
これが真実なら、私たちのご先祖様は本当に敵同士だったんだ。
私はなんだか、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「それで――この文献によると、この地に住んでいた妖狐は、もともと豊穣をもたらす神としてまつられていた良い妖怪だったらしいんだ」
凪季が文章の中の一説を指さす。
「えっ、そうなんですか?」
「ああ。水無月神社の水無月というのも旧暦の六月のことで、毎年その時期になると、稲が丈夫に育つようにって村人が神社に祈りをささげたのが由来らしい」
豊穣をつかさどる……良い妖怪……?
じゃあ、どうして妖狐は封印されてしまったんだろう。
「でもどうやら初めは良い妖怪だった妖狐だけど、年を取るにつれて自分の力をコントロールできなくなっていったらしい。そこで、自ら村の陰陽師に頼んで力を封印させたと書いてある」
凪季が次のページを開き、教えてくれる。
そこには、水無月神社と妖狐を封印したとされる石が描かれていた。
「そうだったんですね……」
そっか。
じゃあ、妖狐が封印されたのは、妖狐自身の意思だったんだ。
「ああ。そうみたいだな。俺もこれを見つけた時はびっくりした」
私はじっと陰陽師と妖狐の絵を見つめた。
妖狐が身にまとっているのは、赤い蝶の着物だ。
ズキリ――肩のあざが痛んだ。
これが真実なら、私たちのご先祖様は本当に敵同士だったんだ。
私はなんだか、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「それで――この文献によると、この地に住んでいた妖狐は、もともと豊穣をもたらす神としてまつられていた良い妖怪だったらしいんだ」
凪季が文章の中の一説を指さす。
「えっ、そうなんですか?」
「ああ。水無月神社の水無月というのも旧暦の六月のことで、毎年その時期になると、稲が丈夫に育つようにって村人が神社に祈りをささげたのが由来らしい」
豊穣をつかさどる……良い妖怪……?
じゃあ、どうして妖狐は封印されてしまったんだろう。
「でもどうやら初めは良い妖怪だった妖狐だけど、年を取るにつれて自分の力をコントロールできなくなっていったらしい。そこで、自ら村の陰陽師に頼んで力を封印させたと書いてある」
凪季が次のページを開き、教えてくれる。
そこには、水無月神社と妖狐を封印したとされる石が描かれていた。
「そうだったんですね……」
そっか。
じゃあ、妖狐が封印されたのは、妖狐自身の意思だったんだ。