妖狐少女と御曹司~最強女子は御曹司くんのニセ彼女!?~
 次の日。

 私はこぶしを握りしめ、大股歩きで生徒会室へと向かった。

 もうこうなったら、なりふり構っていられない!

 コンコンコン。

「蒼木先輩、いますか? 仁科です」

 私は震える声で蒼木先輩を呼んだ。

 カチャリ。

 少しの間が空いて、生徒会室から蒼木先輩が出てくる。

「ああ、お前か」

 少しけだるげな顔をして前髪をかきあげる蒼木先輩。

 うわわっ……。

 蒼木先輩、相変わらず顔が良いなあ……。

 じゃなくて!

「あの……この間の返事なんですけどっ……」

 私が思い切って切り出すと、蒼木先輩は少し怖い顔をして私の腕を引っ張った。

「その話なら中でしよう」

「は、はいっ!」

 そっか。他の人に聞かれたら困るもんね。

 私は大人しく生徒会室の中に入ると、思い切って蒼木先輩に切り出した。

「あのっ……この間の話なんですが、よく考えた結果……お受けしようかと思って」

「……そうか」

 私が返事をした瞬間、蒼木先輩の頬が少しゆるんだ。

 一応喜んでくれている……のかな?

 先輩はいつもクールで表情があまり動かないからよく分からない。

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