ラスボスの夫に殺される悪役令嬢として転生したので、生き残ってみせる!と意気込んでいたらなぜか夫がデレ始めて戸惑っています
キャロラインも転生前は小説を読みながらクロークとレオの関係性に胸をときめかせてはいた。だが、キャロラインの場合は腐目線ではなくブロマンスとして二人を眺めていたので、マリアの思う二人への気持ちとはまた随分違う気がする。それに転生前はキャロライン自身がレオを推しに推しまくっている。
「あの、すみません、急すぎて頭が追いつかなくて……。つまり、マリア様も転生前の記憶を持っていると。あ、ちなみに私もクローク様とレオ様の関係性はとても好きでしたが、ブロマンス目線でした。でも、腐が良くないとかそんなことは全く思ってません。あの、そこは何を好きでも自由だと思うので」
「そうでしたの。同じカプ厨でないのは残念ですけど……でもブロマンスも素敵ですわよね」
キャッキャと嬉しそうにはしゃぐマリアを見て、キャロラインはこんなこともあるのかと驚いていた。自分だけが転生前の記憶を持っているのだと思っていたけれど、同じようにここが小説の世界だと知っている人間が、こんなにも身近にいただなんて。
「まさかこんなに近くに、しかもヒロインであるマリア様がまさか転生前の記憶を持っていただなんて……それにここが小説の中の世界だと知っている人が他にもいただなんて、衝撃だけど、とても嬉しいです」
「私もです!あの、よかったらお友達になってくださいませんか?」
「もちろん!ぜひ!」
キャロラインの返事に、マリアはよかった!と嬉しそうに笑う。マリアが転生前の記憶を持っていると知って、キャロラインは一気に心が軽くなっていく。寂しかったわけではないが、それでも同じような境遇の人間が他にもいるとわかって心底ホッとしたのだ。
「そろそろ戻りましょう、あんまりキャロライン様を独り占めするとクローク様に怒られそうですし」
マリアのいう通り、会場内へ戻るとクロークがつまらなそうな顔でキャロラインを待ち侘びていた。
「遅い。長い。一体、ライバルと何を話していたんだ?」
「ライバルじゃありません。すっかり意気投合して、お友達になりました」
「あのキャロラインに友達……まあ、今の君なら友達ができてもおかしくないか」
そう言って、クロークは少し離れた場所にいる男に視線を送る。
「じゃ、あの男もお友達か?さっきから君を見て話しかけようかどうしようか何度も迷っているようだが」
「え?……あれは」
キャロラインと目が合うと、その男はキャロラインの近くまで来た。隣にいるクロークを見て一瞬怯むが、またキャロラインを見て口を開く。
「あの、すみません、急すぎて頭が追いつかなくて……。つまり、マリア様も転生前の記憶を持っていると。あ、ちなみに私もクローク様とレオ様の関係性はとても好きでしたが、ブロマンス目線でした。でも、腐が良くないとかそんなことは全く思ってません。あの、そこは何を好きでも自由だと思うので」
「そうでしたの。同じカプ厨でないのは残念ですけど……でもブロマンスも素敵ですわよね」
キャッキャと嬉しそうにはしゃぐマリアを見て、キャロラインはこんなこともあるのかと驚いていた。自分だけが転生前の記憶を持っているのだと思っていたけれど、同じようにここが小説の世界だと知っている人間が、こんなにも身近にいただなんて。
「まさかこんなに近くに、しかもヒロインであるマリア様がまさか転生前の記憶を持っていただなんて……それにここが小説の中の世界だと知っている人が他にもいただなんて、衝撃だけど、とても嬉しいです」
「私もです!あの、よかったらお友達になってくださいませんか?」
「もちろん!ぜひ!」
キャロラインの返事に、マリアはよかった!と嬉しそうに笑う。マリアが転生前の記憶を持っていると知って、キャロラインは一気に心が軽くなっていく。寂しかったわけではないが、それでも同じような境遇の人間が他にもいるとわかって心底ホッとしたのだ。
「そろそろ戻りましょう、あんまりキャロライン様を独り占めするとクローク様に怒られそうですし」
マリアのいう通り、会場内へ戻るとクロークがつまらなそうな顔でキャロラインを待ち侘びていた。
「遅い。長い。一体、ライバルと何を話していたんだ?」
「ライバルじゃありません。すっかり意気投合して、お友達になりました」
「あのキャロラインに友達……まあ、今の君なら友達ができてもおかしくないか」
そう言って、クロークは少し離れた場所にいる男に視線を送る。
「じゃ、あの男もお友達か?さっきから君を見て話しかけようかどうしようか何度も迷っているようだが」
「え?……あれは」
キャロラインと目が合うと、その男はキャロラインの近くまで来た。隣にいるクロークを見て一瞬怯むが、またキャロラインを見て口を開く。