俺の彼女は高校教師

第4章 夢の続きを

 その夜は何とも寝れなくて床をコロコロ転がっております。 なんたって美和のクッキリボディーを見てしまったものだから、、、。
「刺激が強過ぎたかな?」って意地らしく笑う美和にも心臓が爆発しそうだったぜ。 真っ赤なビキニで出てくるんだもんなあ。
リボンまで付いてるんだぜ。 目のやり場に困っちゃうよなあ あれじゃ、、、。
だからってあれを香澄が着たって何とも思わないだろうなあ。 美和だったから固まったわけで。
 しかしまあスタイルいいよなあ。 惚れちまうよ。
美和が嫁なんかになったら毎晩燃え尽きてんだろうなあ。 そんなことを考えながら真夜中の部屋の中で悶々としてしまう。
 「次の日曜日も空いてたら来てね。」なんて言ってたな。 他に誰も来ないのかな?
大学時代の友達とか近所の友達とかいっぱい居そうなんだけどなあ。 分からんもんだな。
 ネットを暇潰しに覗いてみる。 なんかバグってる。
(何だろう?)と思って見てみたら写真集で下着ショットを公開したあの人の話だった。 やめてくれよな。
テレビ局に居た頃、触られたの何のって騒いで辞職した人なんだろう? それでこれは無いよなあ。
「見てください。」って言ってるようなもんじゃないか。 全裸じゃないからいいなんてことにはならないと思うよ。
 最近は子供の写真でもエッチな画像に加工されて売り抜けられるんだ。 これはちょっとやり過ぎだよ。
触られただけで騒いだ人が「エッチな画像を上げるな!」って言われたら作品だの何だのって意見をぶちまけてくる。 おかしな世の中だぜ。
 性的な画像を上げておいて性的搾取を批判するってのも筋が通ってないように思うけどどうなんだろう?
性的加工とか強姦とか男がやりそうなことには真正面から反発しておいて裸の写真を上げることには何も言わない。 虫が良過ぎるよ このお姉ちゃん。
 自分から見せておいて「見るな! 触るな! 近寄るな!」って騒いでも「は?」ってなるだけなんだけど気付いてないよね まったく。
自分が一番なんでしょう? そんなやつは彼女にもしたくないし応援もしたくない。
居てほしくないし見るのも嫌だ。

 美和のビキニスタイルを思い出してしまう。 変態おじいなら涎を垂らして喜んだかもしれないけど俺はまだまだ純粋?な高校生だぜ。
母ちゃんが脱いでるのを見ただけで「えーーーーーーーーーーー?」ってなるんだからさあ、もうちっと考えてくれよな。 確かにな、オールヌードじゃないからまだいいんだけどさあ、それにしてもあれは驚きだったなあ。
 でもそれが結婚してしばらくしたらいつもの風景になっちまうのかなあ? 美和とお風呂に入るシーンを想像してみる。
ビニールカーテン越しに仄かに見える美和のボディーライン、、、。 うーーん、まだまだ無理だわ。
 そんなことを考えているうちに朝になっちまった。 今日は休み、【緑の日】とかいう変な休日。
少し前までは【国民の休日】なんて呼ばれてたのにねえ。 でもさセンス無さ過ぎだよね。
休日って言いながら大多数は働いてるんだぜ。 ちっとも休みじゃないじゃん。
休んでるのは議員さんと役所の人間だけ。 バスや電車が止まったって聞いたこと無いよね。
 もしも救急車がストライキを起こしたらどうなるんだろう? ケガ人 病人 出まくりだなあ。
自衛隊が活動をボイコットしたらどうなるんだろう? 中国とロシアはやりたい放題だねえ。
一部の人たちを喜ばせるためだけに休みを増やすのってどうなんだろう? 割に合わないよなあ。
 今日は予定らしい予定が何も無くて朝食を食べたら夕方までゴロゴロ、、、。 どっかのドラ猫みたいに転がってようかな。
こんな日に限って香澄さえ寄り付かないんだからなあ。 まったくもって暇じゃねえか。
 と思っていたら電話が掛かってきた。 「ねえねえ弘明君 暇でしょう?」
「暇だからどうしたんだよ?」 「失礼ねえ。 せっかく誘ってあげようと思ってるのに。」
「ってまた生簀か何かの掃除でもやらせる気か?」 「そんなんじゃないわよ。 馬鹿。」
「お嬢様は口が悪うございますなあ。 彼氏に向かって馬鹿とは、、、。」 「謝るからうちに来てよ。」
「お前んちに行って何するんだよ?」 「いいからいいから。」
「しゃあねえなあ。 15分待ってろ。 馬鹿。」 「弘明君だって、、、。」
 向こうで騒いでる香澄を無視してスマホを切ると俺は家を出た。 魚屋という魚屋に行くんだ。
面倒くせえよなあ。 何で俺が魚屋に行かなきゃいけないんだよ?
 バスに乗るのも面倒だからそのままバス通りを歩いていく。 しばらく行くとでかい看板が見えてきた。
建物のわりに看板がでかいんだよ 魚屋って。 何とも思わないのかなあ?
 それにさあマグロの絵を描いたらしいんだけどどう見たって金魚なんだけどなあ。 まあいいか。
 ブツブツ言いながら魚屋の玄関を入ります。 「おー、兄ちゃん 来たのか?」
「香澄がどうしても来いって言うもんだから、、、。」 「あいつ、よっぽど弘明君にほの字なんだなあ。」
 お母さんが奥から出てきた。 「あらあら、また香澄が呼んだのね? しょうがないんだから、、、。」 そう言いながら階段下で叫ぶ。
 「はーーーーい。 居るわよ。」 「居るわよじゃなくてあんたが下りてきて挨拶くらいしなさいよ!」
「いいっす。 俺行ってきます。」 「そう? 悪いわねえ。 馬鹿な娘で。」
 お母さんが香澄にも聞こえるように言うもんだから部屋のほうから笑い転げる声が聞こえてきた。 「ったくもう、しょうがねえお嬢様だなあ。」
「何ですって? しょうがねえ?」 「ほんとにこんなくだんないことで呼びやがってよ。 どういうつもりなんだよ?」
「あのさ、まだ何をするかなんて言ってないんだけど。」 「どうせまた生簀の掃除だろう?」
「そんなんじゃないわよ。 馬鹿。」 「ほう、呼び付けておいて馬鹿呼ばわりすんのか? じゃあ帰るぞ。」
「待って待ってよ。 謝るから待ってよ。」 そう言って香澄がしゃがみ込んだ。
「ごめんなさーーーーーい。」 頭を下げたのはいいけれど俺の前に直撃しちまってる。
「馬鹿。 何処に突っ込んでるんだよ?」 「え? ワー、嫌だあ。 エッチーーーー‼」
「エッチーーーーって言いたいのは俺のほうなんですけど。」 「ごめんごめんごめん。 見てなかったわ。」
「長年の腐れ縁でこれじゃあ先が思いやられるぜ。」 「いいじゃんいいじゃん。 私は弘明君の奥さんになるんだから。」
「勝手に夢見てろ。 馬鹿。」 「うわ、また馬鹿にした。」
「どうでもいいけど何なんだよ?」 「今日さあ釣り堀にこれから行くんだ。 だから一緒に行かないかな?って。」
「行かないかな?じゃなくて「お前も来い!」って言いたいんだろう ほんとは?」 「よくお分かりで。」
「お前みたいな瞬間湯沸かし単細胞が考えることだ。 それくらい分かるよ。」 「何処まで馬鹿にすれば気が済むのよ?」
「さあねえ。 地獄の果てに行っても馬鹿にしてるかもなあ。」 「そんなのどうでもいいから行こうよ。」
「ほらほら始まった。 行かないかな?じゃないじゃないか。」 「分かったわよ。 付いてきてください。」
 お辞儀をしたのはいいけれど俺が曲げた膝に顔面が直撃して、、、。 「いたーーーーーーーーーーい。」
「まったくもう、お前は何処までそそっかしいんだ? 馬鹿。」 「また馬鹿にしたな? 許さないんだから。」
「怒ってもいいけど行くぞ。 のろま。」 「うわ、今度はのろまだって。」
 何や分らんが突っ込み合いをしながら一階へ下りてくると、、、。 「釣りにでも行くのか?」
暢気にお父さんが聞いてきた。 「そうなんですよ。 どうしてもって言うから、、、。」
「香澄、彼氏を虐めるんじゃないぞ。」 「私、虐めてなんかないもん。 虐められてるんだもん。」
「そっか。 虐められてるのか。 お前だったら虐められるくらいがちょうどいいわ。」 「ひどーい。 お父さんまで、、、。」
「言われた言われた。 俺の言うことを聞かないからだぞ。 香澄ちゃん。」 「きもいなあ。 いつも香澄香澄って呼んでるくせに。」
「いいじゃんか。 たまには。」 「いつもそうやって呼んでほしいなあ。」
「香澄、高望みし過ぎよ。」 「えーーー、お母さんまで?」
そんな両親に見送られて近くの釣り堀へ、、、。 父さんが仕入れてきた魚をしばらくここで泳がせてるんだって。
 鯛も居る。 ヒラメやカレイも居る。
秋刀魚とか河豚とか鰯とか目鯛とか、、、。 見てるだけでも楽しいもんだ。
 ここで年に一度だけ香澄が魚釣りをする。 去年はカサゴを釣ったんだよな。
そうそう、海の魚も居るけど隣の釣り堀には鮎とか鯉も居るんだぜ。 「どっちを狙うかなあ?」
「どっちでもいいよ。 去年はカサゴだったんだろう? 今年は何を狙うんだ?」 「そうねえ、鯛なんか釣りたいなあ。」
「鯛ねえ。」 「ご不満ですか?」
「今なら真鯛が美味い時期だよなあ。」 「真鯛か。」
 香澄は狙いを定めて針を投げ込んだ。 「あの辺りはトラフグだぜ。」
「いいの。 釣れた物を釣るんだから。」 「はいはい。 そうですね。 お嬢様。」
「嫌な言い方をしないでよ。 馬鹿。」 「また俺を馬鹿にしたな?」
「ごめんごめん。 謝るから許してよ。」 そう言いながら竿を俺のほうに向けてくる。
「危ないだろうがよ。 馬鹿。」 「弘明君だって馬鹿馬鹿言ってるじゃないよ。」
「お前ほどは言ってないけど。」 「私より言ってますわよ。 お兄様。」
「いつからお前の兄貴になったんだよ?」 「今から。」
「帰ろうかな。」 「待って待って。 可愛い香澄ちゃんを置いていくの?」
「お前の何処が可愛いんだよ?」 「ひどーい。 高橋先生に言いつけてやるーーーーー。」
叫んだ拍子に釣れていたカサゴが逃げてしまった。 「あーーーーあ、逃げちゃった。 弘明君のせいだからね。」
「何で俺なんだよ?」 「私を馬鹿にしたから逃げたのよ。」
「はいはい。 どうもすいませんねえ。 じゃあ帰りますわ。」 「やだやだ。 帰らないでよーーーーー。」
 我が儘気まま天のまま、今日も香澄はゴーイングマイウェイなのでした。











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