俺の彼女は高校教師
「小百合はあっちの通りを見てくれる?」 「分かった。」
(真紀? 暇なら手伝って。」 「どうしたの?」
「香澄がまた行方不明になったのよ。」 「しょうがないなあ。 で、弘明君は?」
「来てないみたい。 でもどっかで探してるはずだから。」 「分かった。 じゃあ香澄の家のほうに行ってみるよ。」
そんなわけで真紀まで引っ張り出して香澄を探し始めたのでありますが、、、。 それでもなかなか見付からないみたい。
俺のほうには時々メールが飛んでくる。 律子だった李真紀だったり、、、。
(みんな苦労してるみたいだなあ。 美和に相談してみるか。) 俺はふと美和と最近話していないことを思い出した。
『美和、また香澄が行方不明になったよ。 みんなで探してるけど見付からないんだ。
どうしたらいい?』
そのメールになかなか返事が返ってこない。 刺身を食べてしまった俺はどうもやり切れない思いで通りを見詰めている。
「弘明君 行ってあげて。」 お母さんがたまりかねたように俺に言ってきた。
「でも、、、。」 「お父さんも落ち着いてきたから話しとくわ。」
「それじゃあ、、、。」 それで俺も外に出た。
「確か、うちに来るには裏道が有るんだよな。」 いつだったか、美和が教えてくれたあの道だ。
『遅れてごめんね。 夢雨ちゃんが来てるから書けなくて。
香澄ちゃんが居なくなったの? こっちのほうには来てないわよ。』
美和のマンションへ続くあの道に行ってみる。 ここも長いんだよなあ。
5分ほど歩いて行くと見たことが有る緑色の看板が見えてきた。 「そうそう。 ここから裏道だ。」
散策しながら歩いていると後ろから車が走ってきた。 気にせずに歩いていると、、、。
「乗っていいわよ。」って声が聞こえた。 「助かるわ。」
「香澄ちゃん ほんとに居なくなったの?」 「俺んちから出て行ってそのままらしいんだ。」
「じゃあ、この道を歩いてる可能性も有るわね?」 「十分に有ると思う。 律子や小百合たちも探してるけど見当たらないって言ってたから。」
「分かったわ。 走ってみよう。」 美和はエンジンを吹かした。
裏道とは言ってもけっこうな距離が有る。 なんせ曲がりくねってる道だからなあ。
溜池も有るからそいつをグルリト回って行くんだよ。 かなり大きいんだ。
「ため池に飛び込んだりしないかな?」 「分かんねえ。 こないだは太郎橋から飛び込もうとしてたから。」
「でも何で行方不明になったの?」 「それがまた不思議なんだよ。」
俺は姉ちゃんから聞いた経緯を簡単に話してみた。 「うーーーん、それじゃあお母さんが悪いのに香澄ちゃんが全部背負っちゃったってこと?」
「そうかもしれないんだ。 あいつのお父さんがものすごい顔で怒鳴り込んできたっていうから。」 「そうか、、、。 心配だなあ。」
「こっちの道に律子たちも呼ぶよ。」 「そうね。 私たちだけじゃ探し切れないわ。 たぶん。」
俺が律子にメールすると返事が返ってきた。
『了解了解。 そっちの道に回るわ。』
溜池を半分ほど回ってみる。 「この辺で降りてみるよ。」
「分かった。 私も空き地に停めたらすぐ行くわ。」 フェアレディーを降りて池の周りを歩いてみる。
水はだいぶ溜まっていて木の枝や葉っぱが浮かんでいるのが見える。 (俺んちから来たんならまだまだあっちのほうだよな。)
『見付かった?』
『まだだよ。 今、俺んちのほうに向かってるところだ。』
『こっちも何も無いよ。 手掛かりも見付からない。』
いつの間にか律子は下山武夫も引っ張ってきて一緒に探していた。 あいつはあいつで役に立つんだよなあ。
美和も後ろから走ってきた。 「この辺には居そうも無いわねえ。」
「もうちっと向こうかもね。」 歩いていると自販機が見えてきた。
この辺りには花見ポイントが有るんだ。 シーズンになると道端にはシートを敷いて酒盛りをしているおっさんたちが居る。
小さいけど駐車場も在る。 時々警察だって検問に使っている駐車場だ。
『弘明君は何処まで来た?』
『花見公園だよ。』
『そっか。 見付からないよ。』
『必ずどっかに居る。 池のほうも注意しててくれよ。』
『分かった。』
俺たちが公園を出て歩いていると、、、。 「香澄ちゃんよ。」
美和が教えてくれた。 「ん? そうだ。」
香澄はしょんぼりした顔で車道を歩いている。 今は車がほとんど通ってないからいいけど、、、。
「美和さ、ちょっと離れてて。」 「分かったわ。」
「香澄。」 「弘明君、、、。」
「ごめんな。 母ちゃんが迷惑かけて。」 「え?」
「姉ちゃんから聞いたんだ。 お前の父さんが怒鳴り込んできたって。」 「でもそれは、、、。」
「お前のせいじゃないんだよ。 元はと言えば母ちゃんが、、、。」
「香澄ーーーーーーー‼ 何やってんだーーーーーーー?」 そこへ律子たちが駆け寄ってきた。
「ほんとに心配させるんだから。」 「お姉さんから話を聞いたわよ。 まったく、、、。」
「りっちゃんから連絡を貰って飛んできたわよ。」 「お姉さんまで、、、。」
「心配したぞ。 香澄。」 (下山君まで、、、。)
「みんなさ、お前を心配して探し回ってたんだぞ。) 「ごめんね。」
香澄はまた泣き始めた。 「取り敢えずどっかで休もう。」
「そうだな。 みんなも疲れてるだろうから。」 「近くに喫茶店が在ったよな?」
「ああ、ウサギと亀ね?」 「ちょいと体をあっためようぜ。」
それでもって美和先生も一緒になって喫茶店にやってきた。 「何を飲もうかなあ?」
「小百合を飲もうかな。」 「私? すごーく不味いと思うよ。」
「そうか? レモンの味がしそうだけど、、、。」 「なんか美味しそうじゃない。」
「じゃなくてさあ、兎にも角にも酸っぱい女だってことでしょう?」 「ご名答‼」
「下山君 後で覚えておきなさいね。」 「ほら見ろ、魔王に毛が生えた。」
「あのねえ、誰が魔王なのよ?」 「お前。」
賑やかなもんよねえ。 香澄ちゃんの周りって仲良しが多いじゃない。
美和は目を細めながらアップルティーを飲んでおります。 俺はそんな美和を見詰めていますが、、、。
「とにかく香澄が無事でよかったわ。 死んでたら大変だったよ。」 「ごめんね みんな。」
「そもそも何でさあ、香澄が逃げ出したわけ?」 「それは後で話すよ。」
「また何かやらかしたの?」 「さあなあ。 俺は現場を見てないから分からん。」
「そうなのか。」 「実はさ、、、。」
そこで香澄は慎重に言葉を選びながら話し始めた。 「私が遊びに行ったら後からお母さんたちが帰ってきたの。」
「うんうん。」 「それでね、ホットケーキを焼いてくれたんだ。」
「それで?」 「私にはくれたんだけど弘明君には夕べの残りを食べさせようとしたの。」
「えーーーーー? それじゃあさあ『関白失脚』じゃない。 まるで。」 「それで宏明君が「俺には無いのか?」って言ったらスルーしちゃったのよ。 それで弘明君が家を飛び出したの。」
「何だって? 最初に飛び出したのは宏明君だったの?」 律子が身を乗り出してきた。
「りっちゃん、それはやめなって。」 下山が律子を抑えようとしてるけど、、、。
「んで、散歩してたら魚屋まで来たんだよ。 そしたらお母さんが声を掛けてきてさ。」 「だんだん分かってきたな。」
「これまでの話をしたらお父さんが「俺が行ってくる。」って飛び出していったんだよ。」 「それでうちにあのお父さんが来てたのね?」
「でもさあ、香澄にホットケーキを出して弘明君には残り物ってひどくない?」 「ひど過ぎるよ。 あんまりじゃない。」
「私が遊びに行ってお父さんを怒らせたのよ。」 「それは違うわ。 あたしらだってフラッと遊びに行くことは有るんだから。」
「だからってホットケーキでもめなくても、、、。」 「弘明君のお母さんも今頃は苦しんでるわよ。 きっと。」
「じゃあ私が先に帰って話してくるね。」 姉ちゃんはシナモンティーを飲み干すと金を払って出て行った。
(真紀? 暇なら手伝って。」 「どうしたの?」
「香澄がまた行方不明になったのよ。」 「しょうがないなあ。 で、弘明君は?」
「来てないみたい。 でもどっかで探してるはずだから。」 「分かった。 じゃあ香澄の家のほうに行ってみるよ。」
そんなわけで真紀まで引っ張り出して香澄を探し始めたのでありますが、、、。 それでもなかなか見付からないみたい。
俺のほうには時々メールが飛んでくる。 律子だった李真紀だったり、、、。
(みんな苦労してるみたいだなあ。 美和に相談してみるか。) 俺はふと美和と最近話していないことを思い出した。
『美和、また香澄が行方不明になったよ。 みんなで探してるけど見付からないんだ。
どうしたらいい?』
そのメールになかなか返事が返ってこない。 刺身を食べてしまった俺はどうもやり切れない思いで通りを見詰めている。
「弘明君 行ってあげて。」 お母さんがたまりかねたように俺に言ってきた。
「でも、、、。」 「お父さんも落ち着いてきたから話しとくわ。」
「それじゃあ、、、。」 それで俺も外に出た。
「確か、うちに来るには裏道が有るんだよな。」 いつだったか、美和が教えてくれたあの道だ。
『遅れてごめんね。 夢雨ちゃんが来てるから書けなくて。
香澄ちゃんが居なくなったの? こっちのほうには来てないわよ。』
美和のマンションへ続くあの道に行ってみる。 ここも長いんだよなあ。
5分ほど歩いて行くと見たことが有る緑色の看板が見えてきた。 「そうそう。 ここから裏道だ。」
散策しながら歩いていると後ろから車が走ってきた。 気にせずに歩いていると、、、。
「乗っていいわよ。」って声が聞こえた。 「助かるわ。」
「香澄ちゃん ほんとに居なくなったの?」 「俺んちから出て行ってそのままらしいんだ。」
「じゃあ、この道を歩いてる可能性も有るわね?」 「十分に有ると思う。 律子や小百合たちも探してるけど見当たらないって言ってたから。」
「分かったわ。 走ってみよう。」 美和はエンジンを吹かした。
裏道とは言ってもけっこうな距離が有る。 なんせ曲がりくねってる道だからなあ。
溜池も有るからそいつをグルリト回って行くんだよ。 かなり大きいんだ。
「ため池に飛び込んだりしないかな?」 「分かんねえ。 こないだは太郎橋から飛び込もうとしてたから。」
「でも何で行方不明になったの?」 「それがまた不思議なんだよ。」
俺は姉ちゃんから聞いた経緯を簡単に話してみた。 「うーーーん、それじゃあお母さんが悪いのに香澄ちゃんが全部背負っちゃったってこと?」
「そうかもしれないんだ。 あいつのお父さんがものすごい顔で怒鳴り込んできたっていうから。」 「そうか、、、。 心配だなあ。」
「こっちの道に律子たちも呼ぶよ。」 「そうね。 私たちだけじゃ探し切れないわ。 たぶん。」
俺が律子にメールすると返事が返ってきた。
『了解了解。 そっちの道に回るわ。』
溜池を半分ほど回ってみる。 「この辺で降りてみるよ。」
「分かった。 私も空き地に停めたらすぐ行くわ。」 フェアレディーを降りて池の周りを歩いてみる。
水はだいぶ溜まっていて木の枝や葉っぱが浮かんでいるのが見える。 (俺んちから来たんならまだまだあっちのほうだよな。)
『見付かった?』
『まだだよ。 今、俺んちのほうに向かってるところだ。』
『こっちも何も無いよ。 手掛かりも見付からない。』
いつの間にか律子は下山武夫も引っ張ってきて一緒に探していた。 あいつはあいつで役に立つんだよなあ。
美和も後ろから走ってきた。 「この辺には居そうも無いわねえ。」
「もうちっと向こうかもね。」 歩いていると自販機が見えてきた。
この辺りには花見ポイントが有るんだ。 シーズンになると道端にはシートを敷いて酒盛りをしているおっさんたちが居る。
小さいけど駐車場も在る。 時々警察だって検問に使っている駐車場だ。
『弘明君は何処まで来た?』
『花見公園だよ。』
『そっか。 見付からないよ。』
『必ずどっかに居る。 池のほうも注意しててくれよ。』
『分かった。』
俺たちが公園を出て歩いていると、、、。 「香澄ちゃんよ。」
美和が教えてくれた。 「ん? そうだ。」
香澄はしょんぼりした顔で車道を歩いている。 今は車がほとんど通ってないからいいけど、、、。
「美和さ、ちょっと離れてて。」 「分かったわ。」
「香澄。」 「弘明君、、、。」
「ごめんな。 母ちゃんが迷惑かけて。」 「え?」
「姉ちゃんから聞いたんだ。 お前の父さんが怒鳴り込んできたって。」 「でもそれは、、、。」
「お前のせいじゃないんだよ。 元はと言えば母ちゃんが、、、。」
「香澄ーーーーーーー‼ 何やってんだーーーーーーー?」 そこへ律子たちが駆け寄ってきた。
「ほんとに心配させるんだから。」 「お姉さんから話を聞いたわよ。 まったく、、、。」
「りっちゃんから連絡を貰って飛んできたわよ。」 「お姉さんまで、、、。」
「心配したぞ。 香澄。」 (下山君まで、、、。)
「みんなさ、お前を心配して探し回ってたんだぞ。) 「ごめんね。」
香澄はまた泣き始めた。 「取り敢えずどっかで休もう。」
「そうだな。 みんなも疲れてるだろうから。」 「近くに喫茶店が在ったよな?」
「ああ、ウサギと亀ね?」 「ちょいと体をあっためようぜ。」
それでもって美和先生も一緒になって喫茶店にやってきた。 「何を飲もうかなあ?」
「小百合を飲もうかな。」 「私? すごーく不味いと思うよ。」
「そうか? レモンの味がしそうだけど、、、。」 「なんか美味しそうじゃない。」
「じゃなくてさあ、兎にも角にも酸っぱい女だってことでしょう?」 「ご名答‼」
「下山君 後で覚えておきなさいね。」 「ほら見ろ、魔王に毛が生えた。」
「あのねえ、誰が魔王なのよ?」 「お前。」
賑やかなもんよねえ。 香澄ちゃんの周りって仲良しが多いじゃない。
美和は目を細めながらアップルティーを飲んでおります。 俺はそんな美和を見詰めていますが、、、。
「とにかく香澄が無事でよかったわ。 死んでたら大変だったよ。」 「ごめんね みんな。」
「そもそも何でさあ、香澄が逃げ出したわけ?」 「それは後で話すよ。」
「また何かやらかしたの?」 「さあなあ。 俺は現場を見てないから分からん。」
「そうなのか。」 「実はさ、、、。」
そこで香澄は慎重に言葉を選びながら話し始めた。 「私が遊びに行ったら後からお母さんたちが帰ってきたの。」
「うんうん。」 「それでね、ホットケーキを焼いてくれたんだ。」
「それで?」 「私にはくれたんだけど弘明君には夕べの残りを食べさせようとしたの。」
「えーーーーー? それじゃあさあ『関白失脚』じゃない。 まるで。」 「それで宏明君が「俺には無いのか?」って言ったらスルーしちゃったのよ。 それで弘明君が家を飛び出したの。」
「何だって? 最初に飛び出したのは宏明君だったの?」 律子が身を乗り出してきた。
「りっちゃん、それはやめなって。」 下山が律子を抑えようとしてるけど、、、。
「んで、散歩してたら魚屋まで来たんだよ。 そしたらお母さんが声を掛けてきてさ。」 「だんだん分かってきたな。」
「これまでの話をしたらお父さんが「俺が行ってくる。」って飛び出していったんだよ。」 「それでうちにあのお父さんが来てたのね?」
「でもさあ、香澄にホットケーキを出して弘明君には残り物ってひどくない?」 「ひど過ぎるよ。 あんまりじゃない。」
「私が遊びに行ってお父さんを怒らせたのよ。」 「それは違うわ。 あたしらだってフラッと遊びに行くことは有るんだから。」
「だからってホットケーキでもめなくても、、、。」 「弘明君のお母さんも今頃は苦しんでるわよ。 きっと。」
「じゃあ私が先に帰って話してくるね。」 姉ちゃんはシナモンティーを飲み干すと金を払って出て行った。