俺の彼女は高校教師

第9章 恋のシグナル どんでん返し

 香澄の行方不明騒動も落ち着いて母ちゃんもあのお父さんにこっぴどくお説教されてから一週間。 俺は今日もいつも通りに商店街を通ってパンダ焼きを買っている。
「これを食べ始めてからどれくらいになるんだろう? 中学生くらいだよなあ、食べ始めたのは。」 今日も三つのパンダ焼きを買って帰る。
姉ちゃんはまたまたツアーで信州を回っているらしいから。 毎日毎日歩き回って飽きないのかなあ?
 墓地の傍までやってきた。 道端に誰か座り込んでいる。

(この辺にあんな人居たかなあ?) 不思議には思うけど触らぬ神に祟り無し。
 この辺だって夜になればホームレスがウロウロしてるって聞いたことも有るんだからな。 って言うけど俺はまだ見たことが無い。
家に帰ってくると居間のテーブルの上にパンダ焼きを二つ置いておく。 父さんだって食べたいだろうから。
 「そうだよねえ。 俺たちパンダ焼きで結ばれたんだもんなあ。」 「それで母ちゃんがパンダみたいになったわけ?」
「弘明、それってお腹が出てるってことか?」 「腹だけじゃないじゃん。 丸いのは。」
「そうだそうだ。 顔もお尻もみーーーんな真ん丸だ。」 「お父さん、、、。」
 しかしまあ結婚生活が長くなると母ちゃんってドラえもんみたいになるのかなあ? 不思議だなあ。
 そんなことを考えながら部屋の床に寝転がる。 最近は美和もあんまりメールをしてこない。
「遊びに来ない?」っていう誘いも無くなって何だか寂しい毎日を過ごしてる。 もうすぐ冬だってのに。
 「今頃はまたまた夢雨と楽しくやってんだろうなあ。」 そう思うと自分が弾かれてしまったように思えて寂しくなる。

 『ねえねえ弘明君。 今何してるの?』

 『何にもしてねえけど、、、。』

 『じゃあさあ電話してもいい?』

 『お前がか?』

 『私じゃダメなの?』

 『ダメって言ったらどうする?』

 『いいもん。 それでも掛けちゃうんだもん。』

 『じゃあ最初からそうしろよ。 めんどくせえなあ。』

 そう返したら香澄が電話を掛けてきた。 やっぱりお嬢様だぜ こいつ。
「だからさあ、明日一緒に本屋に行こうよ。」 「俺が漫画読まないのを知っててか?」
「いいの。 読むのは私だけなんだから。」 「じゃあ一人で行けよ。」
「冷たいなあ。 付き合ってくれてもいいでしょう? それとも?」 「何だよ?」
「美和先生に相手にされてないから落ち込んでる?」 「ギク、、、。」
「あ、図星だ。 じゃあ付き合ってよ。 誰にも言わないからさあ。」 「しゃあねえなあ。 お嬢様。」
「だからお嬢様はやめてって言ってるでしょう? エッチしたこと喋っちゃうぞ。」 「分かった分かった。」
「おーーい、飯だぞーーーーー。」 「じゃあな。」
 父さんの叫び声に苦笑しながら俺は電話を切った。 「本屋か、、、。」
取り敢えず行方不明事件をもう起こさないって律子たちにも約束した香澄のことだ。 しばらくは言うことを聞いてやんないとなあ。
お嬢様に引っ付かれてる俺の立場にもなってくれよ。 なあ小百合。
「知らないわよ。 香澄が勝手にくっ付いてるんでしょう? 私には関係無いわよ。」 やつならそう言うな。

 夕食を食べながら誰も見ていないテレビを見ております。 東京のどっかですんげえ火事が有ったんだとか、、、。
向かいの家も燃えたんだよなあ。 間近で見るとおっかねえもんだなやあ。
 通りも狭いから消防車が入れなくてなあ。 あっちからこっちからホースだけ引っ張ってきて、、、。
消すのも相当に時間が掛かったらしいな。 何で燃えたのかは分からないけど。
 食事を済ませたらいつものようにお風呂。 のんびり入っていると寝ちまいそうだぜ。
母ちゃんたちは部屋でいいことをやっている。 穏やかでありますように。
 いきなり姉ちゃんが入ってくることも無いし平和でいいわ。 天井を見上げながら俺はそう思う。
明日はまた大騒ぎになりそうな予感。 あいつさえ静かになってくれたらいいんだけどなあ。
とはいえ、もう11月。 だんだんと寒くなってきてる。 昔はなあ落ち葉焚きをしながら芋を焼いたもんだ。
でも居間じゃあ消防法がどうとかって言って出来なくなっちまった。 おかげで落ち葉も溜まり放題だ。
近所のおばちゃんは「これを集めて腐葉土にするんだ。」なんて言ってたけど、、、。
 でもさあ環境がどうとか火災がどうとか言うけど環境をほったらかしてグチャグチャニして周りに燃えやすい物をたーーーーーーーーーっくさん作ったからそんなことになるんだろう? 馬鹿だよなあ。
どいつもこいつもそれが近代的だって思い込んでるんだろう? ほんとに今の社会はおかしいよ。
何かと言えばソーラーソーラーって空言ばかり言ってるし、何かと言えば金が無いの計画は作成中だの何だのって逃げ回る。
ソーラーパネルを置いたからって何かいいこと有ったかい? 何も無いよね。
アメリカでさえ放り出そうとしてるんだ。 日本だけだよ ソーラーにしがみ付いてるのは。
そんなに馬鹿を見たいかい? 再生エネルギーがいいもんだって言い張るなら太陽エネルギーを再生して見せてくれよ。
風力エネルギーを再生して見せてくれよ。 あんたに再生できるかい?
人間様に太陽エネルギーの再生なんて無理だと思うけどなあ。 核融合実験だってまだまだ始まったばかりなんだよ。
10万年後なら再生出来てるかもしれないけどなあ。 まだまだ火星にすら有人飛行では行けないんだからね。
 天井から水滴が落ちてきた。 冷たいなあ。
明日のためにも寝ようか。 香澄がまたまたやりそうだから。

 さあさあ17日の金曜日ですよ。 もうすぐ二学期も終わりだなあ。
期末考査もすぐそこだ。 ああ、頭痛いなあ。


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