~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「ご、ごめんなさい。私なにがどうなったのか」
「――逃がした」
「え?」

 混乱するジェミーの手に触れず立ち上がると、青年はそのまま手すりから身を乗り出し下階を覗き込んだ。そこからは慌ただしい足音がまだしている。どうやら、彼の怒りはジェミーにではなく、駆け去って行った何者かに向けられていたようだ。

「君の背中を押したやつがいたんだよ、後ろから。それでたまたま近くにいた僕が、助けに入った」
「あ、ああ」

 彼の短い説明に納得し、ジェミーはとりあえず感謝を告げた。

「あり、がとう……それじゃあ、こっちの事情にあなたを巻き込んでしまったんですね。それより、怪我は?」

 つい、襲撃を予想していたような口調になってしまいながら、ジェミーは青年の受けたダメージを心配する。ジェミーの方は彼に庇ってもらったおかげで、ちょっと足を階段のへりにぶつけたくらいで大事ない。本当に助かった。
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