～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「大分片づいたわね。今日はよろしく、パネマ」

　店内はジェミーの指定した通りに内装や調度品も整い、今からでも店を始められそうな雰囲気だ。商品棚がすっかり空いていることを除けば。

「いい人が来てくれるといいんだけど」
「私の伝手で商会を経由していろいろと呼びかけさせていただきましたし、信用できる人間が来てくれると思いますよ」

　そう、なぜ学校を休んでまでお店に来たか。その答えは開店が迫るにつれて追加で従業員を雇う必要ができたからだ。
　どうしても今いる人数だけでは、接客を行いながら商品の生産までには手が回りそうにないのだ。裏方専門のスタッフが必要になったので、こうしてジェミー自ら、求人に応じてくれる人々を面接することにした。

　店長のパネマに相談しつつ、給料は周囲の相場を逸脱しない程度に高く。休日などに備えて少し多めに人数を雇うことにする。やはり前世社畜としてブラックな環境に身を置いたものとしては、人数をケチって従業員を悲惨な状況に追い込むわけにはいかない。仕事は人生のすべてじゃないんだから、働きやすく楽しいよう、ホワイトな環境づくりをモットーに。ジェミーはこのお店を自主性をもって運営させていきたいと思うのだ。