～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

　どう引っ張ろうと般若のごとく凶悪になるマイフェイスに諦めをつけ、ジェミーはようやく決心した。こうなったら、この物語を捻じ曲げて、生存ルートを確保するしかない。

（未来を変えてやるわ。それも劇的に）

　それに必要とされるのは、ジェミー自身の変わろうとする強い覚悟だ。
　不幸中の幸いか、一段と多くの人に接することになる貴族学校へは入学待ちの状態である。それからの行動で、少しは周りの評価がよくなることに賭けるしかない。いや、そう仕向けなければ――でないとジェミーは三年後、処刑というデスティニーのもとに首ちょんぱ。そんなのは断固拒否！　なのだ。

　ちらりとミリィを見ると、彼女は今もこちらを警戒中。テーブルに置いていた銀盆をそろりと掲げ、徹底的に防御の構え。周りが始終こんな様子ではジェミーも気分が悪い。たとえこれまでの素行で彼らとの間に深～い溝が横たわっていたとしても、少しずつでも改善せねば待つのはバッドエンドのみ。