~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「婚約を取りやめさせたいんですよね?」
「はぁい。そうです」

 ぐすぐすと鼻をこすり、涙声になるジェミーの前で、ルゼは指を立てた。

「ならば要は、あなたのお父上がクラフト殿下を嫌いになればいいわけだ」
「それがうまくいかないからこうして悩んでいるわけじゃないですかぁ」
「そんなの簡単ですよ」
「えっ?」

 すると、ルゼはふんと鼻を鳴らしながら、そっとハンカチでジェミーの涙を拭い、彼女を再びベンチに座らせた。その手付きは優しく、意外と彼にも人の心があったのだなぁとちょっとだけ感心する。

「これから王宮での夜会で、第二王子の醜態を見届けるんでしょう?」
「え? ああ、そうですけど」
「ったく、あなたもよくわからない人だな。頭が切れるのかと思ったら。こんなところで子供みたいにわめき散らかして。ならば、その後のことは僕に任せておいてください」
「はぁ」
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