~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「お、お父様、せめて! せめて一学期の間だけでも婚約をお待ちいただけませんか? 私はいまだ未熟、王子妃など務められる自信がないのです! それに、私が殿下の婚約者たる実力を証明せぬまま婚約を受け入れては、他家も納得しないでしょう! 夏に行われる学期末試験にて、必ず彼の妻となるにふさわしい力量を示してみせます。ですから、その機会を!」

 ジェミーは悲劇のヒロインを装うと、くるり回って両手を広げ涙ながらにアッピール。やや苦し言い訳に、背筋に汗が伝う。だが、ここで流されては、後々の軌道修正がより厳しいものに。
 祈るような面持ちでジェミーはガースルを見つめた。

「なんと……」

 すると――父の両目からだーっと涙の川が溢れ出す。

「なんとっ、そこまで自らに厳しくあろうとするとは、我が娘ながらまさに公爵家の鑑である!」

 どうやら彼はその訴えにいたく感動したらしく、席を立つとがばっと娘を抱きすくめてむせび泣き始めてしまった。
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