~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 それは目の前でさっと躱され。その場でつんのめると、ガーフィールは後ろ頭をがりがり擦って大笑いした。実は子煩悩な彼なのだが、いつも同僚の前では恥ずかしくてそんな姿をひた隠しにしているのだ。

「騎士団は日々仕事に事欠かんのでな。ここにいると、つい時間が立つのを忘れてしまう。だがもちろん、お前たち家族のことを忘れたことはないぞぉ」
「お兄様は?」
「あんなやつは知らん」

 途端しらけた顔で手を振るガーフィールに、ミリィはくすっと笑いを漏らす。彼はまだ、手塩にかけて育てた兄が騎士団を勝手に辞めてしまったことに納得がいっていないようだ。

「そんなことをおっしゃって。心配なさらずとも、兄上も任された仕事をきちんとこなしていますよ。わたしも最近、毎日が楽しくなってきましたし」
「うぉほん、お前のことはともかく、ブラウンのことまで余計な気を回さなくていい。それよりも、なあミリィ。お前、今度屋敷に戻る時にナタリエにうまく言っておいてくれんか? でないと、今度は家の中に入れてもらえんかもしれん」

 ちなみに、この目の前で青い顔をする父ガーフィールは、もう十年ほどもこの国で騎士団長職をこなし続けているベテランで、国を長きに渡り守り続けている功績をもって爵位を与えられた、れっきとした伯爵様でもある。
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