~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「……まあ、ボクに対抗しようというなら、それくらいはやってもらわないとね。いいさ、これで対等の競争相手として認めてあげるよ。だが、いっそこのまま計画がお流れになった方が君にとってはよかったんじゃない? 敗北者として国に戻り、ひとりベッドを涙で湿らせる覚悟でもしておくがいいさ」
「そんな未来は僕じゃなくて、あなたのものだ」
「ふん」

 床の上でまだ激しく息を弾ませるルゼを、こんなとこ寝られては敵わないと言うようにカーライルは違う部屋のベッドのそばまで引きずり、そこで投げ捨てた。
 そして忙しなく去ってゆく彼の足音を聞きながら、ルゼは目を瞑る。

(少しくらいは、やり返せたってところかな。でも、ここからが問題だ。カーライルのやつなんかに負けてやるもんか。だからジェミー嬢、君も、運命なんかに、負ける、なよ……)

 ジェミーの役に立てたことにひとまずの満足を得た途端、強い眠気が頭を襲う。こんなに一生懸命走り回ったのは久しぶりだ。
 でも――なんだかとても、心地よい。自分にしかできなかったと、そう言ってもらえたから。

(僕の方こそ、ありがとう。ジェミー……)

 初めて自分の価値を認めてもらえた気がして……。
 扉の閉まる音も聞こえないくらい急速に、疲れていたルゼの意識は眠りに沈みこむと、深い深い底へと引きずり込まれていった。
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