~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「いい度胸だな。俺に仕事を任されておきながら、それが頭の中からすっぽ抜けるやつは初めて見たぞ。どうやら、俺にはまだまだ次期王としての威光が足らぬらしい」
「そ、そのようなことは――」

 ギヌロッ、と瞳がさらに細くなり、ジェミーはどうすりゃいいのよーと口を噤む。
 今日は、以前はそばについていた宰相はいないらしく、扉の脇に護衛がついているだけだ。誰かが優しくとりなしてくれるようなことは望めそうにない。

「まこと申し開きのしようもございません。いろいろと事件が起こりまして、私の矮小な頭では処理しきれずこのようなことになったのでございます。なにとぞ寛大な心でご容赦いただければ!」

 したがって、とにかく頭を下げるしかなく。しゅんとした表情でジェミーは誠心誠意、許しを乞うた。そんな胃が痛くなる時間がしばらく続いた後。

「ふん」

 ジェミーの目の前に、一枚の手紙がひらりと滑り落ちた。
 デール王太子が飛ばしたもののようだ。
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