~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「ええ。実は御嬢様、あの事故はやはり、ペリエライツ家を巻き込もうと意図的に起こされたものだったようです」

 そうして彼女は、ブラウンが意識を失う前に起きたという事実を詳細に語ってくれた。


 ――あの日、ブラウンと護衛隊の面々は、ペリエライツ家の馬車の前後を囲むように馬で移動していたらしい。この峠を越えればランデルシア家まではもうすぐそこ。気を引きしめさせようと、彼が隊の面々に号令を上げたその時。

『隊長ーっ! 道の先でどうも、立ち往生している者たちがいるようで』
『なに? ああ、脱輪でもしたのか?』

 合図した隊員が指差す方向では、確かに道を塞ぐように一台の馬車が横転している。あれでは無視して進むこともできない。
 ブラウンは窓からガースルに声をかけた。

『お館様、しばしお待ちを。どうやら事故かなにかで、動けない者たちがおるようでして』
『わかった。手を貸してやるがよい』

 そんな返事を聞きとると、ただちにブラウンは、道を塞ぐ馬車へと駆け寄る。
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