~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
呻く彼らを気にもせず、ルブロはあくどい顔で告げた。
「そんなことはとうに知っておるわ。結構なことではないか。いいかジェミー、お前が王族に嫁げば、それはすなわちペリエライツの血を継ぐ者が、わしひとりとなるということ。つまり誰にも気兼ねすることなく莫大な富と権力がこの手に入るのだ。クラフト殿下はそうなるよう取り計らうと約束してくださったぞ」
(やっぱりね。そのくらい言っていると思ったんだわ)
クラフトは、ジェミーが自分と結婚すればガースルたちを解放すると口にしたくせ、裏では叔父にこんな提案まで持ちかけていたらしい。
こうなってくると、本当に父たちを無事で返す気があるのかも怪しいところだ。
なんとか家族の情に訴えかけ、ルブロにクラフトを裏切らせたいところだが――彼は顔を真っ赤にすると、ワインの入ったジョッキをヤケ酒のようにごくごくとあおり、ジェミーに投げつけてきた。
「プハッ! 昔から、わしは知恵も品格も優れた兄上のせいで周りと比較され、グズだのデブだのと罵られてきたのだぞ! それが立場が少し危うくなったからといって、助けてやる義理などあるものか! 帰れ、帰れっ!」
「うひゃっ!」
「そんなことはとうに知っておるわ。結構なことではないか。いいかジェミー、お前が王族に嫁げば、それはすなわちペリエライツの血を継ぐ者が、わしひとりとなるということ。つまり誰にも気兼ねすることなく莫大な富と権力がこの手に入るのだ。クラフト殿下はそうなるよう取り計らうと約束してくださったぞ」
(やっぱりね。そのくらい言っていると思ったんだわ)
クラフトは、ジェミーが自分と結婚すればガースルたちを解放すると口にしたくせ、裏では叔父にこんな提案まで持ちかけていたらしい。
こうなってくると、本当に父たちを無事で返す気があるのかも怪しいところだ。
なんとか家族の情に訴えかけ、ルブロにクラフトを裏切らせたいところだが――彼は顔を真っ赤にすると、ワインの入ったジョッキをヤケ酒のようにごくごくとあおり、ジェミーに投げつけてきた。
「プハッ! 昔から、わしは知恵も品格も優れた兄上のせいで周りと比較され、グズだのデブだのと罵られてきたのだぞ! それが立場が少し危うくなったからといって、助けてやる義理などあるものか! 帰れ、帰れっ!」
「うひゃっ!」