~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
 そんなことを言いつつも、手鏡で気合を入れて余念なく最終チェックをしてしまうのは、女の性か。

 近くにはいないとはいえ、室内にも着付けなどを手伝ってくれた数人の女官が談笑している。彼女たちに思惑を悟られるわけにはいかず、ジェミーは慌てて声のトーンを落とした。

「あれから、トーミアス家の方で動きはなかったのよね?」
「はい、残念ながら。ウィリアム殿や兄からも続報は来ていません。救出は間に合わなかったとみるべきでしょうね」
「そう……」

 深いため息を吐き出し、なんだかんだルゼに大きく期待を寄せていたことを実感しながら、ジェミーは目尻を下げた。

 これは現実なのだ、早々自分に都合のいいことばかり起こるわけがない。そんなことはわかっていても、肝心なところでうまくいかないと、落胆せずにはいられない。

「でもまぁ、ルブロ叔父様も味方につけたし、なんとかうまく足搔いてみせるわ。それに――結婚したって、この先の人生が終わりになるわけじゃなし。ふん、王妃になったらなったで、裏からクラフト殿下を操ってこの国を牛耳ってやろうじゃない。毎日美食やパーティーで贅沢し放題よ! おーっほっほ……ほほっ」
< 835 / 952 >

この作品をシェア

pagetop