~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド
「確か、当時幼かったアルサイドが王宮に侵入した他国の密偵に命を奪われかけた時、その当時の騎士団長と共に責を追われて職務を解かれ、王宮を追放されたはずだった。そうだな、ロドム」
(あっ)

 その話を聞いて、ジェミーの視線も彼の首元に見える傷へと集中し、過去に聞いた第三王子の噂が、頭に思い出される。
 宰相ロドムも当時を思い出しているのか、目玉をぎょろつかせながら頷いた。

「ええ、その後幼いアルサイド王子はその身を王宮から誰も知らぬ場所に移されたと聞き及んでおります。しかし、デール様が彼がアルサイド様だということに気づかなければ……私も気づくことはなかったでしょう。当時とは印象がずいぶん違う」
「俺は昔近くで言葉を交わしたことがあったからな。どうだ、思い出してきたか、アルサイド」
「ぼ、僕……は」
「だ、大丈夫? ルゼ、本当にそうなの?」

 ジェミーはなにかを思い出そうとするルゼの背中に手を添えた。
 取り乱した彼の心臓は、激しく脈打っている。本当にこの青年が、ずっと陰ながらジェミーに協力してくれていた、第三王子だというのだろうか?
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