すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
「そんな事実はない」
「え? でも私の誕生日に北見さんと家で会う約束してましたよね」
「……は?」
聞いたことのないような低音に、美咲の身体がビクッと竦む。
「まさか。そんなわけないだろ。誰にそんな話を」
「それは……」
「それも、彼女が?」
スタッフとして働く美咲に聞こえるように、店内で喜々として話していた。美咲がおずおずと頷くと、大翔が大きくため息をつく。
「誕生日のデートをキャンセルして他の女と会うつもりだと思ったら、別れたくもなるよな」
「……違うんですか? てっきりお見舞いに行く約束をしてるんだと」
「見舞い?」
「あの日、大翔さんが風邪を引いていたっていうのも彼女から聞きました。私が子供で頼りなかったから、そういう弱音も言えなかったんですよね」
「違う!」