すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~
「こわいこわい。別に北見さんだけが悪いわけじゃないよ。大翔さんに確認せずに、勝手にひとりで不安になってた私も悪かったの」
「ったく。お前はすぐにそうやって自分を責める」
「もう終わった話はいいじゃない」
美咲は強引に話を引き取ると、「それより」と隣に座る篤志ににじり寄った。
「この通り、私はもう幸せだから。お兄ちゃんもそろそろ自分のことを考えてね」
「ん?」
「お兄ちゃんの彼女ってどんな人? 結婚の話とか出てないの? いい加減教えてよ」
「あぁ」
篤志はなにか思い出したようにクスッと柔らかい顔で笑った。兄のそんな顔をこれまで見たことがないため、美咲は余計に気になってくる。
「彼女は管制官なんだ」
「管制官? っていうことは、空港で出会ったの?」
「いや。初めて会ったのは空港じゃなくて――」
篤志の言葉が不自然に途切れた。彼は急に立ち上がると、それまでの柔らかい表情を一変させ、厳しい顔をして滑走路を睨んでいる。