すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

「待って、大翔さん。帰ってきたばかりで疲れてるのに……ちゃんと休んだ方が」
「疲れてるからこそ、美咲に癒やされたい。無事に帰ってきたご褒美をくれるか?」

美咲の首筋や胸元にキスを落としながら、まるで甘えるような上目遣いで懇願され、今度は胸を撃ち抜かれる。

(そんな風に言われたら、なんでも許したくなっちゃう……)

美咲が大翔の珍しい表情に身悶えている間にも、大翔の指先や唇がいたずらに肌を暴いていく。

「美咲、返事は?」
「んっ、もう。そういうの、ずるいです……」

美咲は観念して、そっと大翔の頬に指を伸ばす。

「でも待ってください。まだちゃんと言えてない」
「ん? なにを?」
「おかえりなさい、大翔さん」

満面の笑みで伝えると、彼もまた嬉しそうに笑ってくれた。

「ただいま、美咲」

何気ない日常の挨拶を交わせるのが、いかに幸せか。
美咲はその幸せを噛み締めながら、続きをねだるように自らキスをした。



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