すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~

「す、すみません、見苦しくて……。すぐに着替えてきます」
「そういう意味じゃない。俺の部屋着を着てる美咲と向かい合って食事なんて、朝から威力が強すぎるってこと」
「えっ?」
「ほら、冷めるから早く。洗面所も好きに使っていいから」

彼の言葉に思わず振り返るが、意味を理解する間もなく美咲はリビングから追いやられる。

言われたとおりに洗面所へ行くと、昨夜雨でびしょ濡れになった服は綺麗に洗濯され、きちんと畳んであった。

彼の気遣いに感謝しつつ洗顔をして着替えを済ませる。メイクはどうしようかと迷ったけれど、食事を作ってくれた大翔を待たせるわけにはいかないと、すっぴんのままリビングへ戻った。

「コーヒーは飲めなかったよな。うち紅茶とかなくて、悪いけどお茶でいい?」

美咲の苦手なものを覚えている大翔に驚いた。学生の頃はコーヒーにどれだけ砂糖やミルクを足しても苦みを感じてしまい、あまり好んで口にしなかった。

『コーヒーが苦手なのにカランドでバイト始めたの?』
『だって、あのお店が一番サクラ航空のゲートに近かったから……』

美咲が恥ずかしそうに告げると、大翔は嬉しそうに笑って頭を撫でてくれた――。

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