マリアンヌに私のすべてをあげる

恥ずかしがりやのマリアンヌ


マリアンヌと一緒に馬車に乗って、バルロッタの瀧を観に来た。

うおーーーーっ!!
なんだこのすごい絶景は……世界の絶景100には入るな!!
間違いなく世界遺産に認定されるやつだっ!!
滝すげーー迫力ッ!!!!
修学旅行で観た滝と比較にもならんド迫力!!
緑冴えまくりの山も超デケーー!!

それに……

『マリアンヌ、虹が、虹が、でてる!!』

『はい、とても綺麗ですねぇ』

めっちゃ映えスポットじゃん!!
虹も二重にかかってるし、ここは間違いなくおとぎの国だな!!

この場所で大の字で寝たら気持ちいいだろなーーやってみよ。

どこまでも続く広い草原の上に、私はゴロンと寝っころがった。
その姿を見てマリアンヌが驚いたように目を見開く。

『マリアンヌ、どうしたの?』

ーーなんか変なのか……?

『いえ…… レオナルド様もそのように外で横になられることがあるのですね』

『だって気持ちいいよ。立ってたり座ったりして眺めてるより、自然と一体化してるみたいで。マリアンヌも横にきて一緒に寝っころがったら?』

『私はここで座って観てますから大丈夫です』

マリアンヌが私の横で小さくかしこまって座った。

『いいからおいでよ!!』

『キャッ、、』

私はマリアンヌの腕を引っ張ってこっちに引き寄せてやった。

こんな最高な景色を前にお上品ぶってないで満喫しないと。

『この腕の上に頭のせてていいから』

腕枕してればそんなに髪も汚れないし問題ないだろう。

『は、はい……』

『ほら、寝っころがったら気持ちいいと思わない?』

隣のマリアンヌに目をやると、顔が赤くなっていて恥ずかしそうにしている。

『そ、そうですね。こうして横になって観ると…… いつもよりも自然を感じられるような気がします……』

ーーなんでそんなに顔が赤いんだ?

もしかして……外で寝っころがったりするのが恥ずかしかったのか!?
そんなことで恥ずかしがるなんて……やっぱマリアンヌはガサツな私と違って、品よくて可愛いよなーー。
ちゃんと女の子だ!!
当たり前だけど。

何か話しするでもなく大自然の中を二人で寝っころがって過ごしてたら、リラックスし過ぎて知らん間に爆睡してしまっていた。


目を覚ますと隣にマリアンヌが座っていて、私の体の上にはブランケットが掛けられている。

けっこーー長く爆睡してたかも……
ヤバッ、、
一人でただ寝に来たみたいになってるし……

『ごめんッ!! いつの間にか眠ってしまってた……』

あたふたして起き上がろとうする私に、マリアンヌが穏やかな眼差しを向ける。

『いえ、大丈夫ですよ。お疲れだったのですね。レオナルド様、もしよろしければこれを……』

ニコッとしたマリアンヌはバスケットからサンドイッチを取り出した。

『よかったら召し上がって下さい。レモンティーもありますよ』

『へーーサンドイッチか。美味しそうだ。いただくよ』

ちょうど腹減ってたんだよなーー。

手渡されたサンドイッチを片手に持ち、大口を開けガブっと頬ばった。

うまっ!!!!

『このサンドイッチ、美味しい!!』

母ちゃんの作ったのよりウメーーわ!!

『そうですか。それは良かったです。そちらのサンドイッチは私が作ったんですよ』

『えっ? サンドイッチ…… マリアンヌが作ってくれたんだ!! すごく美味しいんだけど、料理するんだ?』

『はい。シェフがいますが、自分で作るのも好きで……と言っても簡単なものしか作れませんけど……』

『そうなんだ。でも自分で作るなんて偉いよ!!』

自慢じゃないがまるっきり料理なんてしないわ。しようと思ったこともない。
もっぱら食べるのみ!!
父ちゃんによく言われてたんだよなーー明日翔は女なんだから料理くらい出来るようになれって、、余計なお世話だっつーーの!!
料理なんかせんでもスーパー行ったら惣菜コーナーにウマいもんいっぱい売ってあるわっ。

『レオナルド様、お口の周りが汚れていますよ』

ハンカチを取り出したマリアンヌが私の口をトントンとしながら優しく拭いた。

『ありがとう!!』

母ちゃんに世話焼かれてる子供みたいになってしまっている……
昼寝を見守られ、食事を与えられ、口の周りを拭かれ。
ほんとっマリアンヌは優しいよなーー。
サンドイッチもめちゃウマだったし。

『マリアンヌは料理も上手だしさ、いい奥さんになるよ!!』

『は、はい…………』

あれっ?また顔赤くなってんじゃん。
料理が上手って褒めたからか?

マリアンヌって……かなりの恥ずかしがりやだな。








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